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SII の電子辞書 DAYFILER DF-X8001 レビュー

2014年8月21日

※現時点で筆者が単語の意味を調べる時は完全に「英辞郎」や「Weblio」などのネット検索に頼っていて電子辞書は全く使ってませんが、当時の勉強法の記事として残しています。


私が学生時代は、紙の辞書がまだ全盛だったのですが、この度生まれてはじめて電子辞書(SII DF-X8001) なるものを購入しました。

ネットで簡単に検索できる時代で果たして必要かな・・・とは思いながら1年くらいは「どうしようかな・・・」状態だったのですが思い切って購入しました。
まだ、全機能を使いこなしていないので全て評価できる状態では無いですが、2ヶ月くらいは使ってみたのでレビューというか感想を書いてみます。

購入動機

もともと、電子辞書を買った事が無かったので、欲しいな。とは思っていたのですが、ネットでも検索できるし、特に必要ないかな。と思っていました。
が、数ヶ月前から、スピーキングの練習に会社帰りに日本人同士で行う英会話サークルに通うようになって、「英語を喋れる人は電子辞書を持ってきている傾向が高い」という事に気づき、購入に至りました。とりあえず行動をまねてみよう。というものです。

わからない単語がある時は、スマホの場合は、その場でスマホで調べるという手もあるのですが、携帯電話だと、どうしても操作性が良くなく、検索にも時間がかかるので、話しながらわからない単語を調べるという用途にはどうも使いにくい事があります。「調べる事ができる」のと「簡単に調べる事ができる」のギャップがあります。

ちなみにネイティブの先生が居る普通の英会話スクールにも通っているのですが、そちらでは電子辞書が必要だと感じた事はありませんでした。
日本人同士で英会話の練習をすると「あれ、”炭酸飲料”って何て言うんだっけ」と言いながら調べる”間”ができるのですが(相手によってはできませんが)、ネイティブの先生が相手の場合はどうしてもそういう”間”ができず、電子辞書が必要だと思う事がありませんでした。
いづれにしても自宅では PC を使ってインターネットを検索したりPCにインストールしてあるロングマンの電子辞書を使っているので、ほぼ出先での使用限定マシンです

あと購入の動機で一番大きいのが「一度、所持してみたかった」という事です(笑)

外装の上蓋は傷が付きそうな塗装なので、もうちょっと表面が丈夫そうな加工のほうが嬉しいかな・・・

購入した電子辞書

店頭に行って各社の機種を触ってみて、最終的にSII(セイコーインスツル)の DF-X8001 というのに決めました。

電子辞書メーカーの中では、SII製は”英語特化機”の扱いになっている事もそうですが、主な決め手は

1. 英英辞書の Longman と Oxford が入っている
2. 「英和」「和英」「英英」辞書の切り替えボタンが付いている
3.画面が綺麗

でした。

SII のラインナップには、DF-X8001 の他にもDF-X10001 や、DF-X9001 等他に上位モデルもあるのですが、基本的に収録辞書の差になります。
上位モデルの方が、用例集や専門用語辞書が充実しています。収録内容は以下の SII のサイトの「収録辞書で選ぶ」のリンクで確認できます。

http://www.sii.co.jp/cp/index.html

どの辞書にするか悩む所ですが、上級機に搭載されている専門用語までは私のレベルでは必要なさそうなのと、電子辞書を持ち歩くようなシュチュエーションではそこまでの専門用語には出くわさないと判断しました。(多分、私の場合、そういう専門単語を調べるような時は、手元に PC とインターネットがあるがっちりとした環境だと思いました。)


DF-X8001に搭載されている辞書を見る限りは、英英辞書の内容は「LONGMAN」の方が「OALD(Oxford Advanced Leaner’s Dictionary)」より充実していました。
辞書の内容だけでなく、イギリス発音と米国発音の音声再生ができるのも LONGMANだけになっています。
個人的な使い方はメインとしては LONGMAN を使い、その内容ですっきりしなければ、OALD はサブで使う。という形にしているので、英英辞書が目的であれば LONGMAN の英英辞書が入ったモデルをおすすめします。
例えば、DF-X9000系 や DF-X7000系の場合は、OALD 英英辞典だけになり LONGMAN(ロングマン)の英英辞典は含まれません。

型番の高い上位モデルが全ての辞書を含んでいるか。というとそういう事もないので、含まれる辞書を見ながら必要な機種を判断する必要があります。
(以下は、記事作成時点での型番と辞書の種類)
dictionary

また、ハードウェアとしては電池の持ちが悪かったり、今後数年でまだ進化しそうな感じがする事もあり、このモデルに落ち着きました。(追記:SII はこの分野から撤退するようで SII 辞書に関しては今後のHWの進化は望めそうになくなりました・・・)

もう少し詳しく見ていきます。

レビュー

良い所:

この機種の使い勝手も店頭で触っている限り、それほど操作性も悪くなく、ハードウェアボタンで、「英和」「和英」「英英」を切り替えるられるのがまず気にいりました。
この機能は実際、便利で、英和辞書で「いまいちな訳しかないな・・・」と思った時に英英辞書ボタンを押す事で、英英辞書で検索する事ができます。
他社製は、英語以外の辞書も結構入っているため、「英英」「英和」・・のようにハードウェアボタンを割り当てるわけにはいかないので、一つのボタンに複数の機能を割り当てるようになっているものがあります。

↑ハードウェアボタンで、「英和」「和英」「英英」が切り替えられます。これがすごく便利です。

後は、画面の解像度が高く見やすいです。他社製でも同様に美しいものもありますが、表示の解像度やフォント自体が荒いものもまだ存在しています。
画面に関しては電子辞書全体の製品傾向として過渡期かなと思います。

またキーボードがしっかりしており、非常に押しやすいです。

残念な所:

この電子辞書の弱みは「バッテリーの持ち」です。

この製品が出ている時点で、他社と比べてみると、カシオの Exword だと 100時間前後、シャープの電子辞書だと50時間前後バッテリーの持続時間があるのですが、この機種は10時間前後とずば抜けて電池の持ち時間が悪いです(何故?)

が、実際は携帯のように1日中、使わなくても電源をオンにしておくような使い方の製品では無いので、8時間くらいの英語の社会人向けの丸1日の講義に参加して、1日中つかっても電池は余裕で余っています。実際の運用では、家に帰ったらUSBにつないでおく。という使い方で特に困ってはいないです。

あと少し大きいですね・・・このサイズの画面は欲しいので(むしろもっと大きくても良いかなと・・)、もう少し薄くて軽くする方向だと嬉しいです。
筐体としては Android を辞書専用にカスタマイズしてキーボードを付けただけなので、最近のAndroid 携帯電話の大きさや薄さから言うとまだまだ筐体としては進化する余地があると思われます。

また、他の電子辞書ユーザーが持った瞬間に「何これ。重たい」と言われた事があります^^;;
個人的には初電子辞書で、店頭に並んでいる他の機種と比較しても気にならなかったのですが、人によっては重たく感じるようです。

改善されると良いかな。と思う所:

それほど不便では無いのですが、ハードウェアーボタンを押した時に以下の写真のように、辞書が表示されます。

(↑写真の関係で指紋が目立っていますが、実際の期待は指で触ってもあまり指紋が残らないような仕様になっており、指紋は殆ど気にならないと思います。)

上の写真では「LONGMAN」が選択されているので、このままキーボードから入力すると、「LONGMAN」で検索が行われます。
この状態から他の辞書に切り替えたい時は、指で画面をドラッグして、例えば隣に表示されている Oxford の辞書に切り替える必要があります
キーボードから指を放して、画面を触るのは動作の流れが遮られるので、キーボード操作だけで切り替えられたら、すごく便利だなと思いました

正確に言うと、以下のような別のメニューから手繰ればキーボード操作だけで辞書を選択できるのですが、それだと操作ステップ数が多く使いにくいので、このメニューを出すのであれば、指でタップして切り替えてしまいます。

音声データが付いているものは、スピーカーのマークが付いています。

また、今のままでも不満はありませんが、動きにキビキビ感がないです。キータッチからやや間があって画面が動く感じがします。
もう少しなめらかになったらいいかな。と思います。

検索の使い勝手

検索語を入れて、サーチするだけなので特に使い方的なものはありませんが、実際にお店で触ってみる事をおすすめします。
辞書によっては、音声が付いているものもあるので、発音が確認できます。

タッチパネルなので、タッチ操作で画面の拡大縮小ができます。便利です。(実際には一度自分の見やすいサイズに固定してしまえば、滅多に使う事はないと思います)


細かい使い勝手は専用機だけあってよく考えられています。さくさく検索できます。

無線LAN 等もついてますが、一度使ってみましたが、この端末でインターネットをするのはそれほど使いやすいわけではなく、個人的にはインターネットを使用する事はまずないと思います。
自宅でPCを持っている人であれば、普通に PCを使うと思いますし、出先で WiFiルーターまで持ち歩いているような人であればノートPCやタブレットも持って居ると思うので、そちらで検索した方が良いかな・・・と。インターネットで調べるのはかなり込み入った事柄でしょうから、この小さな端末でネットであれこれ調べる・・・という事はないような気がします。

個人的には必要の無い機能なので、無線LAN は電池節約のためにも常時OFFにしています。

他に購入しておくと良いもの


普段は必要ありませんが、本体のアップデートを行うには、MicroSD カードが必要です。
この記事作成時点で、2GByte以上の容量が必要とされています。

PASORAMA の使い勝手は

この電子辞書の特徴として PC に USB 接続すると、PC側に導入した専用ソフトウェアからこの辞書を使えるようになります。
店頭でもデモが行われている事が多いです。

USB接続した場合は、自動的に以下のような画面になりPC側のソフトウェアから使用できるようになります。

PC上にインストールしたソフトウェアから、電子辞書が使えます。
こう言ったPC用電子辞書では、コピペが禁止されているものがありますが、PASORAMA はコピペ可能なで単語帳にコピペが可能です。

特定の辞書で検索したり、全辞書を串刺し検索できるのは、本体と同じです。
初見だとGUI としての配色やフォントサイズの調整が微妙な気がしたのですが、実際使ってみると使い勝手は悪くないです。

とは言え、私の場合はPCだと英辞郎や英英辞書ロングマンのPCソフト等で検索してしまう事が多いため、まだ PASORAMA をそれほど使っていません。
もう少し使いこなしたら記事を更新しようと思っています。

紙の辞書であるロングマンにも PCにインストールできるソフトウェアの電子辞書が付いてます(但し使い勝手は・・・)

タブレット辞書と電子辞書専用機のどちらが良い?

検索の速さはハードウェアのキーボードがある専用機の電子辞書の方が数秒は速いです。英語の辞書は何度も何度も繰り返し検索するものですので、例えば1回の検索で2秒の差が出るとして、それが1000回溜まれば、2000秒(=33分) です。実際はもっと使うと思いますし、英語はとにかく時間のかかる学習が必要な学問なので、この辺りは甘く見てはいけないかな。と思っています。

個人的な棲み分け(意識しているわけでは無いですが、自然な棲み分けとして)は、以下のようになっています。

・電子辞書専用機
英会話スクール、英語の講座に参加する時。
自宅でペーパーバックを読むとき。

・タブレット辞書
電子ブックをタブレット端末で読んでいる時。
まれに英会話などでも使用

・PCの辞書(インターネット、英辞郎 Pro 等)
Ankidroid のフラッシュカードを作る時
難易度の高い文法等の調査
ネットで英語の記事を読むとき
本腰を入れて勉強する時

どれが一番強力かと言うと、やはりインターネットだと思います。
基本的に自宅ではインターネット(PC)、外ではインターネットに繋がっているのはスマホ、そういう場合は電子辞書専用機の出番になります。

個人的な理想は軽量NotePC (500g~1kg)くらい)で、標準でLTEに繋がり、外でもインターネットができるようなものがあったら、自宅の外の辞書としてはかなり万能選手になるのでは。と思っています。

追記

セイコーインスツルが電子辞書業界から撤退してしまいましたね・・・

電子辞書ビジネスからの撤退について | セイコーインスツル株式会社

私の周りではまだ電子辞書が一般的ですが、スマホを使われている方も結構います。
ただ、私はスマホの小さい画面で単語を調べるのが苦手なんですよね・・・なので電子辞書を使い続ける事になると思います。

追記:2015/04/09

ヨドバシカメラに久しぶりに行きましたが、もう店頭に並んでないんですね・・・寂しい限りです。

追記:2017/04/11

久しぶりにこの記事を見返したのですが、現時点では殆ど電子辞書はお蔵入りになっています。
パソコンが使える環境ではパソコンで検索。パソコンが使いにくい環境では、常に携帯しているスマホを使用するケースが殆どになりました。

スマホでは「英辞郎Pro」を使っていますが、2015年時点では、何度もログインし直さないといけないなど、使うのが面倒でしたが、今では改善されているのでかなり使いやすくなっています。検索した単語はとりあえず単語帳に追加するような使い方をしています。

Weblio の方を使っていないのは、単純に英辞郎 Pro で登録している単語の資産などがあるので使い続けているだけです。Weblio も心を惹かれるものがありますが、基本的に辞書的な使い方をするだけなので、移行をするほどでは無いかなと。と思って現在に至ります。

クオリティの高い辞書は、電子辞書が良いと思うので、スマホが禁止されているような学生さんにはまだまだ使い勝手が良いものであると思います。

 

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