翻訳 英語学習用ツール

DeepL の翻訳の精度が非常に高い。

2020年4月25日

DeepL」という翻訳ツールを今年になって知りました。

個人的には何年も Google 翻訳や Excite 翻訳も使っておらず、基本的にはそのまま原文を読んだり、英語の文章もそのまま書いていて、わからない時に辞書を使うくらいです。

翻訳ツールによる翻訳は手間がかかる割には良い精度のものが出て来ないので、結局、原文に当たらないといけず、効率が悪いという印象がありました。

今回、この DeepL というツールを知って試してみたのですが、正直、精度にびっくりしました。

New York Times の 記事を翻訳してみる

試しに The New York Times のこちらの記事を翻訳してみます。

原文 (Coronavirus Antibody Tests: Can You Trust the Results? より)

The research has not been peer-reviewed and is subject to revision. But the results are already raising difficult questions about the course of the epidemic.

Surveys of residents in the Bay Area, Los Angeles and New York this week found that substantial percentages tested positive for antibodies to SARS-CoV-2, the official name of the new coronavirus. In New York City, the figure was said to be as high as 21 percent. Elsewhere, it was closer to 3 percent.

The idea that many residents in some parts of the country have already been exposed to the virus has wide implications. At the least, the finding could greatly complicate plans to reopen the economy.

Already Americans are scrambling to take antibody tests to see if they might escape lockdowns. Public health experts are wondering if those with positive results might be allowed to return to work.

But these tactics mean nothing if the test results can’t be trusted.

以下にいろんなツールで翻訳してみた結果と、翻訳がおかしい?自然ではない?という所は、青字にしてみました。緑字は自然で良い翻訳してるな。と思った所です。

DeepL

この研究は査読されていないため、修正される可能性があります。しかし、この結果はすでに流行の経過について難しい疑問を投げかけている

ベイエリア、ロサンゼルス、ニューヨークの住民を対象とした調査では、今週、かなりの割合の人が、新型コロナウイルスの正式名称であるSARS-CoV-2に対する抗体が陽性であることがわかった。ニューヨーク市では、この数字は21%と高いと言われていた。他の地域では3%に近い数字でした。

国のいくつかの地域の多くの住民がすでにウイルスにさらされているという考えは、広い意味合いを持っている。少なくとも、この発見は、経済を再開する計画を大きく複雑にする可能性があります。

すでにアメリカ人は、ロックダウンから逃れるために抗体検査を受けようと必死になっています。公衆衛生の専門家は、抗体検査の結果が陽性であれば、職場復帰が許されるのではないかと考えている。

しかし、検査結果が信用できなければ、このような戦術は何の意味もない。

  • 「~という考えは、広い意味合いを持っている」は、「The idea ~ has wide implications」が原文ですが、他の翻訳ツールでもここは不自然でした。日本語にするとすれば「~という事実は、いろいろな事を示唆している」という感じかなと思います。
  • 「大きく複雑にする可能性がある」は「could greatly complicate plans 」が原文です。ここは素直に「とても複雑にする可能性がある」という感じかなと思います。
  • 全体的に、固い言葉使いなのか、ですます調なのか、文末が揃っていないです。これは他のツールでも同じ結果になりました。

Google 翻訳

研究は査読されておらず、改訂される可能性があります。しかし、その結果はすでに流行の進路について難しい問題を提起しています。

今週、ベイエリア、ロサンゼルス、ニューヨークの住民を対象にした調査では、新しいコロナウイルスの正式名称であるSARS-CoV-2に対する抗体がかなりの割合で陽性となった。ニューヨーク市では、この数字は21%にも及ぶと言われています。他の地域では、3%に近かった。

国の一部の地域の多くの居住者がすでにウイルスにさらされているという考えは、広い意味を持っています。少なくとも、この調査結果は、経済を再開するための計画を非常に複雑にする可能性があります。

すでにアメリカ人は、彼らがロックダウンから逃れることができるかどうかを確かめるために抗体検査を受けようと奮闘している。公衆衛生の専門家は、肯定的な結果が得られた人々が仕事に戻ることを許可されるかどうか疑問に思っています

しかし、テスト結果が信頼できない場合、これらの戦術は何の意味もありません。

  • 「流行の進路」は、「the course of the epidemic」です。
  • 「~という考えは、広い意味合いを持っている」は、「The idea ~ has wide implications」が原文ですが、他の翻訳ツールでもここは不自然な所でした。
  • 「抗体検査を受けようと奮闘している」は「are scrambling to take antibody tests」が原文です。「抗体検査を受けるために必至になっている」
  • 「肯定的な結果が得られた人々」は、「 those with positive results」で訳としては単独で見ると訳はあっているのですが、前後の文脈から「抗体検査が陽性になった人」が正しい訳です。少し意味が取りにくくなってしまっています。
  • 「かどうか疑問に思ってます」は、「 are wondering if 」の部分です。訳としては正しいと思うのですが、直訳感があります。DeepL のように「職場復帰が許されるのではないかと考えている」と言う方が、”自分はそう思っているけど、他の人にどう思うか疑問を投げかける”日本語訳として、自然な気がします。
  • 全体的に、固い言葉使いなのか、ですます調なのか、文末が揃っていないです。これは他のツールでも同じ結果になりました。

みらい翻訳

みらい翻訳サービス」も昨年、Google 翻訳を超えたと、大変話題になった翻訳サービスです。

この研究は査読されておらず、改訂の対象となっている。しかし、その結果はすでに、エイズの流行の経過について難しい疑問を投げかけています

ベイエリア、ロサンゼルス、ニューヨークの住民を対象に今週行なわれた調査では、かなりの割合の住民が、新型コロナウイルスの正式名称であるSARS-CoV-2に対する抗体陽性反応を示した。ニューヨーク市では、その数字は21%にものぼると言われていました。他の地域では3%に近かった。

米国の一部の地域では、多くの住民がすでにこのウイルスにさらされているという考えには、さまざまな意味がある。少なくとも、今回の調査結果は、経済の再開計画を非常に複雑にする可能性がある。

すでに米国人は、封鎖を免れるかどうかを確かめるために、抗体検査を急いでいる。公衆衛生の専門家たちは、良い結果が出た人たちが職場復帰を許されるのではないかと考えています

しかし、このような戦術は、テスト結果が信頼できなければ意味がない。

  • 何故か元の原文に無い「エイズ」という言葉がでてきています。
  • 「さまざまな意味がある」は他の翻訳ツールも直訳になってしまった所です。
  • 「封鎖を免れるかどうかを確かめるために」は、難しい訳だと思います。逆に他のツールが「ロックダウン」と翻訳できたのが不思議です。単純に翻訳できずカタカナでそのまま翻訳した可能性もありますが・・・
  • 「良い結果が出た人たち」は、「 those with positive results」で訳としては単独で見ると訳は正解ですが、前後の文脈から「抗体検査が陽性になった人」が正しい訳です。少し意味が取りにくくなってしまっています。
  • 全体的に、固い言葉使いなのか、ですます調なのか、文末が揃っていないです。これは他のツールでも同じ結果です。

翻訳の精度

個人的な印象としては、

「DeepL」 >  「みらい翻訳」 > 「Google翻訳」

かなと思います。

「みらい翻訳」が出た時もびっくりしたのですが、「DeepL」はわずかに「みらい翻訳」の上を行っている気がします。

「DeepL」や「みらい翻訳」程度の精度があれば、長文を翻訳する時に、下文をこれらのツールを使って、おかしいと思った所だけを修正する事でかなり時間の節約になるかなと思います。

DeepL を使った日本語から英語への翻訳

今度は、日本語から英語に翻訳してみます。

毎日新聞の記事を使ってみます。敢えて口語が混じったものを選んでみました。(引用元:ホームも構内もガラガラ GW初日の東京駅「こんなに人がいないのは初めて」)

「移動中は密閉空間になるので心配です」。兵庫県の実家に行くという高校3年の女子生徒(17)は、座席の手すりなどを拭くための消毒液を持参した。1月に芸能活動のため上京した。帰省は控えた方がよいという思いもあったが、4月7日の政府の緊急事態宣言発令前に切符を買っており、両親からも「東京は(感染者が多く)危ないから帰っておいで」と言われたという。実家のすぐ近くには高齢の祖父母が暮らすが、「しばらくは会わない。なるべく実家から出歩かずに過ごしたい」と話した。

DeepL による英語訳

I'm worried about being in an enclosed space while I'm on the move. She went to Tokyo in January to work in the entertainment industry, and she brought disinfectant to wipe down the railings on her seat. However, he had bought a ticket before the government declared a state of emergency on April 7, and his parents told him that Tokyo was dangerous, so he should go home. His elderly grandparents live near his parents' house, but he says, "I won't see them for a while. I want to spend as little time as possible without walking away from my parents' house.

ネイティブで無いので、ほぼ完璧に見えます。

が、何故か「高校三年生の女子生徒(17)」という情報が丸毎カットされています。(これは「。」の後に改行を入れる事で翻訳されました。何かのバグかもしれません。

他にも、共通して誤訳になっている部分があります。日本語では主語が省略されている文です。

どうやら DeepL では、主語が明示されていない文については、"He" "his" で統一するように作られているように見えます

この文章を "She" "her" にするには、前出の文の内容を理解して、前出の文の "She" についての話が続いていると文章の意味自体を理解しないといけないので、これは致し方ないのかもしれません。

しかしそれ以外について言えば、スムーズな英文になり下地の文として簡単に使えるレベルになっている気がしました。


 

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