TOEIC 英会話

TOEICは実は点数が取りやすいテストである。

2020年1月12日


この数年はのんびり勉強に移行していて、たまに TOEIC について聞かれても「TOEICってどうだったかな・・・」という感じでだんだんと忘れつつあるので、忘れる前に、TOEIC学習者の方に対して、私の振り返りを記録しておきます。

こういうと「え!」と思われるかもしれませんが、TOEIC は英語の基礎を勉強するための基本的なテストで、点数が取りやすくできていると思います。

TOEICは出題範囲が大体決まっている

学校の英語のテストで満点を取れるか?と聞かれると、取れそうな気がする人はいると思います。それは出題範囲が決まっていて「教科書、参考書のこの範囲を抑えておけば、完璧」という目処がつくからだと思います。

実はTOEICもほぼ出題範囲は決まっています。出題範囲はほぼ「TOEICの過去問」です。
プラスアルファで新しい単語や表現などを入れてくる事はありますが、TOEIC は全問正解しなくても満点 (990) は取れるので、そこは気にしなくても良い部分だと思います。

単語に絞ってみると基礎的な単語 (恐らく7000-8000語レベルだと思います)を抑えていればOKです。
この 7000-8000語というのも ”TOEIC のテストで中で使われる単語”というカテゴリの 7000-8000語です。

その中でも「TOEICで良く出る単語」が存在しています。
現在もそうかわからないですが、例えば、設問の判断に substantial という単語が絡んでくると、「あぁ。TOEICぽい」みたいな印象を持ちます
問題集を見ていると良く出てくる単語というのがあるのです。

現在の学校英語のカバー範囲がどうなっているかわかりませんが、学校英語の単語とTOEIC英語の単語/熟語の差分を埋める必用があるので、TOEIC向けの単語帳というのは絶対に必要だと思います。
つまり適切な問題集を使わないとTOEICの点数を上げるという観点では遠回りになります。

効率の悪い勉強で点数が伸びないというのは、モチベーションに関わります。適切な単語帳を探すようにしましょう。

TOEIC の満点取得者は過去問を大体把握している

ネイティブは別にして、ノンネイティブのTOEICの満点取得者は、数年のTOEICの過去問をほぼ把握している人が多いと思います。

「私は使える英語を知りたいんだ。そういうTOEICに絞ったやり方はしたくない」と思う人もいると思います。私はそうでした。

ただ、結果から振り返ると「TOEICの過去問を覚える」事が目的ではなく、「過去問をしっかりやる事で自然と過去問を覚えてしまった」というのが正しいです。
当初、私はバーサタイル(万能な)な英語力を身につけて、結果としてTOEIC満点を取ろうと思ってましたが、バーサタイルな英語力をいきなり身につけるのは無理です。

逆にTOEICの過去問程度に絞らないと英語の世界は広大なため、反復して覚える。という練習自体が成り立たず、大半の人が膨大な時間を費やしても何も残らない事になってしまうと思います。
一部の職業や趣味に密接に英語がが絡んでいて、自然と大量の反復練習の機会を持っている人は例外だと思いますが・・・

またリスニングでも聞き間違えやすいポイントを必ず入れてきます。
例えば「coffee」と「copy」の聞き間違えを狙ってくると「あぁ。TOEICだ」と思います。

つまり、TOEICの過去問は非常に重要で、そこにポイントを絞って勉強すれば良いのです。
かと言って公式ガイドブックにこだわる必用はなく、公式をベースに、TOEICのプロの先生が監修、解説している問題集を使う方が効率的だと思います。
TOEICビジネス周辺には、有名なTOEIC専門のような先生がたくさんいるので、有名な先生から自分の感覚に合う先生を選ぶのが安心です。
安さだけで選ぶと、「これは監修が適当すぎない?」という本があるような気がします。

TOEIC側も常に同じものを出してくるわけではなく、新しい単語を出してきて設問の内容の把握を妨げに来ます。
TOEIC慣れしている人は「こんなの過去に出た事無かった」という事で強く印象に残る事になります。逆に言うとほとんどが過去の傾向に沿っているため、そういう部分が目立ちます。

反対にいくら TOEICの問題形式に似せていても、そこで使われている単語やフレーズ、Listeningポイントが TOEICの過去問を踏まえてないようなものはいくらやっても TOEICの点数をあげるという意味では無駄に終わると思います。ですので、少なくても TOEIC満点を取った人が監修していて、さらに最近の傾向を把握していそうなものを選ぶのがおすすめです。

私のTOEICの点数とReading / Listening スキルの振り返り

~900点
基礎の文法ができている。学校英語をきちんとマスターしたレベル。

900~950点
冠詞だったり、s だったり文法の細かい所に注意ができるようになる(注意ができるだけでとっさの判断はまだまだ)
日本人的な基本的なリーディングスピードは確保できている。
イギリス英語だったりの発音の違いの存在をする。
いろんな方向の勉強をして見る。
英英辞典は、使えるが(面倒だな・・・という)心理的な抵抗はちょっとある。

950~990点
リーディングスピードとして、ノンネイティブとしてのかなり遅いレベルだが、簡単な文章であれば何とか読めるスピードが確保できている。
リスニングは、他の人より強いけど、それが明確な優位になるほど強いという程でも無い。
英英辞典は、軽い心理的な抵抗がある感じ。妨げにはならない。

実は、TOEIC満点を取っても達成感はありましたが、「え。これで満点なの・・・」と言う感覚が強かったです。
さらに、私は今でも、私は英語の学習途中で「先が長いな・・・」と思ってますが、当時を今振り返ってみると、「あの頃の英語は、まだまだ初心者だった・・・」と思い、ちょっと「ううう」という気持ちになります。当時は当時で必死だったのですが・・・

英英辞典は現在では「そう言えば昔は、なんだかんだ言って抵抗あったな」と言う感じで、抵抗があった事自体を忘れてました。
英英辞典のいハードルを減らすのは、回数かなと思います・・・逆に言うと、TOEIC を満点取る程度の勉強量では、英英辞書を引く回数は足りない。という事だと思います。

TOEICのリーディングで時間が足りなくなるのはネイティブから見るとありえない

私もそうですが、多くの人は、 TOEIC の Reading パートは時間が足りなくなる。と良く言いいます。テストによっては考え込んだりするので時間は大きく変動すると思いますが、ネィティブに TOEICの時間を聞くと20分余ったとか、30分余ったとか。普通に言われます。

「仕事などで普通に英語を使えるようにしたい」と言ってもこれだけの Reading のスピードの差があったら、大人と子供の差以上の情報処理能力の差があったらネイティブと互角だったり多少劣るというレベルでは無いのがわかると思います。TOEICで満点を取れるレベルは、仕事の処理能力という観点で、ネイティブの子供とも競えるレベルではありません。

満点を取ったレベルでもネイティブの足下が見えるくらいのレベルで、スタート地点だな・・・というのが印象です。
TOEIC の最高スコアが 990であるのも「まだまだ先はあるよ」と言う意味で、1000点にしてないと言われています。

ちなみにリスニングパートの話になりますが、私がネイティブに聞いたので面白かったのは、「退屈すぎてリスニング問題の間に別の事を考えてしまって、聞き逃す所だった」と言われた事があります。

英会話スキルとTOEICの相関関係はほぼ無いが、学習の基礎になる

英会話力は、かなりの人が気になる所だと思います。

私は900点を超えたころから、本格的に英会話のレッスンを開始しました。
TOEICの手助けになるかな。と思ったのですが、振り返ると英会話のレッスンは TOEIC の手助けになってなかったと思います(笑)
なぜなら、英会話は TOEIC の応用であり、TOEIC という基礎学力を伸ばすには効率が悪かった。という事だと思います。

英会話(相手の話を聞いて、自分の意見を言う)というのは、TOEIC とは全然違うスキルです。
私は、TOEIC 990 点を取った時でも自己紹介もままならなかったです。

振り返って見ると、この違いは、必用とされるフレーズが TOEIC と、英会話では全く違うからだと言っていいと思います。
英会話には英会話で、良く使うフレーズが、各自の生活や仕事の環境に根ざしていて、人によって全く違ってきます。かなり広範囲に及ぶため、テストでその能力を測るのが非常に困難になっていると思います。

日常のちょっとした会話であれば、英会話スクール / オンライン英会話の英語を喋る機会は、(効率の問題はいろいろ検討しないといけませんが)、必須だと思います。
自分の趣味、周りであった事を喋る機会は大事です。これは机上ではどうしてもできません。

そして、日常で良く使うフレーズも個人の性格や生活圏に根ざしたものになると感じていてAさんが良く使うフレーズが、Bさんも良く使うか。というと別だな・・・と言うのが私の印象です。実際にその場に立たされないと、自分が何が言いたくて、何が言えないかわからないです。そしてこれは、個人のキャラクターとシチュエーションに依存します。

例えば会議の司会を仕事でする事が多い人は、やはり会議で使うフレーズが強くなったりします。意外に思うかもしれませんが、会議ではスラスラ喋れる人も、フランクなミーティングでは言葉が出てこず、支離滅裂になる。というのもよく見かける光景です。

ただ、こうした英会話の場でも TOEIC は無駄では無かったし、むしろ必用な事だったと。と思います。
TOEIC 基本的な文法、リスニングスキルを抑えるためにあります。英会話にも当然は文法は必用で、ベースの文法や語彙力はだめだと英会話のレベルもそのレベルから上に行けなくなってる気がします。
英会話も、長く喋っていると、「あ。。支離滅裂だな・・・文章がぐちゃぐちゃだ・・・」となる事があります。そういう時の立て直しの役に立つのはやはり、文法だったりの基礎だと思います。

また、the や a、単数なのか複数なのか、というのは TOEIC 時代に気にしなければいけない。と植え付けられたから、英会話でもできるだけ(まだまだですが)気にしていて、遭遇するたびに辞書で調べています。
英会話では冠詞が話している内容に与えるイメージや意味の違いは時に大きく、奇妙な英語になりがちです。

ただ、聞いている側が、脳内で想像して変換してくれていたいるので意味は通じない事はないのと、ネイティブは冠詞があいまいな時は「それは the person ?」というような冠詞そのもの確認はしませんが、「電車にのって人が、XXした。って事?」のように会話の意味を確認してきます。

TOEIC は基礎で、英会話は応用。だと思っています。応用をいきなりやっても成長は難しいですが、基礎を固めておけば、応用も成長しやすいと思います。

英会話をはじめた頃、複数の先生に言われたのは、「あなたは文法がちゃんとしているし、語彙力も高い」と言われましました。TOEICの勉強しかしてなかったので、TOEICのおかげだとは思います。
ただ、自分では他の人より喋れないのは明らかに、当時は手一杯で、何故そう言われているのかわからず、今でもピンと来ないです。
会話の中で相手が難しい単語を喋っていたら「難しい・・・」と思いますが、自分が喋っている時に「私は難しい文法を使っている」「難しい単語を使っている」とは思って喋っていないので、ここは素直に「そうなのかな・・」という感じです。

ただ、点数に関しては、950を超えていれば990を目指すのにせいを出す必用は無いかな。という気がします。
一方で基礎がしっかりしていれば、980-990を取るのは苦ではないはずなので、950以上は、細かな所を気にしなくても間違えないという。習熟度の問題だと思います。
もちろん980-990を取るくらいの習熟度(正確は理解とスピード)は、英会話の上達においても最終的にあたり前に必用になってくると思います。

残念なのは私も現在では 950くらいは取れる気がしますが、過去問を幾つか解いてみたり、単語帳をもう一回なめてみないと、満点を取れる気がしません(笑)

確かに文法や単語がめちゃくちゃでも相手の言っている事がわかればコミニケーションは取れる

私の会社には日本の大学を卒業した、外国人の方が何名かいるのですが、何十年も日本にいて日本国籍をもっている方も、大学を卒業して数年の方もいらっしゃいます。

一番日本に長くいて、既に日本国籍をもっている人は、20年くらい日本にいると思うのですが、たまに何を言っているのかわからなくなる時があります(文法も単語も適切ではなく意味が取れない)。
一方で、同じくらい日本に居る別の外国人の方は、日本人と区別がつかないくらい日本語が綺麗です(アジア人なので、外見も同じで、私も暫く日本人だと思っていたレベルです)

でも、日本語が相当ぐちゃぐちゃで、言っている事がわからない時があっても、雰囲気でコミニケーションは取れます。彼は非常に人とコミニケーションを取るのが好きなタイプで、そうやって日本語を覚えて行ったのかなと思います。ただ、”ノリ”「のコミニケーション以上のコミニケーションが必用になった時はコミニケーションは難しいです。

また、ある時は日本に10年くらいいる方だと思いますが、彼は喋るのも流暢ですが、日本語のメールになると全く日本人と区別がつかず、一部で使われている単語が、日本人が読めず「え、漢字でこう書くの?」日本人一同、驚いた事があります。すごい勉強しているからこそ、あそこまでの日本語が使えるんだな。と、気づかされました。

彼らはずっと日本人と日本語に囲まれて生活していますが、単純に日本人と話しているだけで英語が自然に身についていくかというと、みる限り、そうでは無いように見えます。

英会話としてどこまでのレベルを目指すかは人それぞれですが、英会話はコミニケーションのためのものですが、使える文法、単語レベルによって、コミニケーションのレベルは変わってくると思います
ですので TOEIC のような基礎を測るツールは、多くの人に有用だと思います。

学習の成長を測るにはテストが必用

自分がどれだけ成長したか測定する方法は、客観的に測定するしかありません。自分の自信というのはあてにならないものです

TOEIC に限らず、テストは客観的に自分の学習効果を測定してくれるツールです。
方向性が無い学習というのは辛いものです。そして、英語の学習は何年もかかります。何年も闇雲に学習する(20代の私がそうでした)というのは、何を習得したのかわからず、結果、忘れてしまい、無駄になりがちです。

他にも方法はあると思いますが、いろんな人がいろんなクオリティの高い情報を提供してくれている、仲間がたくさんいる TOEIC という分野を自分の学習効果を図るツールとして利用するのは、私としては強くおすすめしたいと思います。

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