マーベルスタジオが作成するヒーロー達が活躍する世界 "Marvel Cinematic Universe" を描いた映画の最新作、「Thor: Ragnarok」(マイティ・ソー バトルロイヤル) を見てきました。
海外の人と映画について語るときに難しいのは、日本語のタイトルと英語のタイトルが違う時で、この映画も「マイティ・ソー バトルロイヤル」になっていますが、原題は「Thor: Ragnarok」になっていて、”バトルロイヤル”と言う単語は入ってません。
上の画像は予告編のシーンで、今回の映画のメインキャラクターが勢揃いのシーンですが、最後までいろいろストーリーを調整していたようで、残念ながらこのシーンは本編には存在しないシーンになります。
原題に使われている "Ragnarok" は、ゲームのタイトルにも使われているので、耳にした事があったももの意味は知りませんでした。Wikipedia によると
ラグナロク(古ノルド語:Ragnarøk(Ragnarök、ラグナレク)、「神々の運命」の意)は、北欧神話の世界における終末の日のことである。
だそうで、北欧神話から来ている言葉です。
日本人にはちょっとなじみの無い単語だと思いますが、「Thor」のキャラクターは、主人公の Thor をはじめ北欧神話 (Norse mythology) の神々をモチーフにしているので、この言葉が使われたようです。
トレーラーで使われているセリフ
ネタバレしないように、以下のトレーラーを使って、映画内で使われているセリフを勉強して行きます。
幾つかのバージョンの予告編が出ており、上記の予告編では出てきていませんが、「Dr. Strange」が出てきているバージョンもあります。
Line 1
[0:02-0:12] So much has happened since I last saw you.I lost my hanmmer, like yesterday, so, still pretty fresh.
- So much has happened いろいろな事が起きた
- since I last saw you 最後に君にあってから
「like yesterday」のような曖昧な表現は、日常会話で使えそうです。
Line 2
[0:13-0:20] And then I went on a journey of self-discovery, where I met you.
- go on a journey of self-discovery 自己発見の旅にでる。
"自己発見の旅" というフレーズは、どこに行くか聞かれた時に "Well, I'll just go on a journey of self-discovery" .等と冗談で使えそうです。
Line 3
[0:35-0:42] "Hela, the Goddess of death , has invaded Asgard." "Oh I've missed this!"
- Goddess 女神
この角が生えた謎の女性が今回の映画のキーとなる人物 Hela です。映画の中では「Goddess」 が、女性の神である Hela を指す時に使われる一方で、「God」 は Thor に使われています。
「Asgard」は舞台となる Thor の故郷ですが、これも北欧神話から取られている名前です。
Line 4
[0:56-1:05] Asgard is dead, and it'll be reborn in my image. I thought you'd be glad to see me.
- be reborn 生まれ変わる
- in my image 自分の姿に似せて
トレーラーなので、違う場面のセリフがつぎはぎされています。
be born と同じように reborn も受動態で be reborn のように使われます。「私のイメージでは」と英語で言う時に「I imagine that ~」「I feel that~」と言うのが自然だなので、「My image is that」は不自然英語として知られていますが、「God created mankind in his own image」(聖書)のようには使えるようです。Hela のセリフも聖書を意識したように見えます。
Line 5
[1:05-1:10] We need to stop her... here and now / to prevent Ragnarok, the end of everything!
- here and now 今ここで
Line 6
[1:12-1:17] "So, we are putting together a team." "Like the old days."
- put together a team チームを作る
Line 7
[1:19-1:23] Surprise! This'll be such fun.
- Surprise サプライズ
「Surprise」は日本語に翻訳しづらいですが、現在では翻訳しなくても意味が通る言葉になっている気がします。このシーンだけ切り取っても面白さがあります。
Line 8
[1:32-1:34] He is a fighter.
映画館で見ていた時は文脈から普通に聴き取れた覚えがあるのですが、トレーラーになって単体で切り出されていると一瞬、何を言ってるのかわからなくなりました。
Line 9
[1:37-1:39] Here we go.
- Here we go. さあ行くわよ。
この映画で個人的に一番格好良かったキャラクター Valkyrie のセリフです。
映画などで「Here we go」は良く聞くセリフになっていると思います。もし自分一人で何かに挑戦する状況だったら「Here I go」とネイティブが言うのを聞いた事があります。
Line 10
[1:47-1:55] I am the Goddess of death. What were you the God of again?
- again 思い出させて
「again」の英語的な使い方で、文末に付けて(自分は知っていたはずだけど忘れてしまっているので)「思い出させて」という意味になります。
Line 11
[2:06-2:21] We're the same, you and I, just a couple of hotheaded fools.
このトレーラーのオチに使われているシーンですが、以下のようなダイアログになっています。
Thor: "We're the same, you and I, just a couple of hotheaded fools."
Hulk: "Yes same. Hulk like fire, Thor like water."
Thor: "Well, we're kind of both like fire"
Hulk: "Hulk like raging fire, Thor like smoldering fire."
- hothhead 短気な
- rage 猛威を振るう
- smolder くすぶる
Hulk が "Thor"と発音した時に、"Dor" のように聞こえる事がありますが、th の発音が詰まった感じになった時にこうなるのをよく聞きます。th の発音は、歯の間に下を挟んで息を吐き出すので、ちょっと詰まると"D"の音に聞こえたりします。
映画の感想
予告編どおりのアクション中心の映画ではありますが、ある程度ストーリーもしっかりしていて、最近の Marvel 映画と同じで期待を裏切らないものになっていると思います。
これまでの Marvel 映画が好きな方には、お勧めな映画になっています。
一方で、別の予告編に Dr Strange が出ているように、Dr. Strange や、Hulk について背景についての説明は無く、他にもこれまで Avengers の映画を見ていないとわからない所があります。
Hulk については、「この緑色の人は Thor の知りあいなの?」となりますし、特に「Dr. Strange」に関しては、ファンの人は「おぉ。出てきた」となりますが、知らない人は単純に「このやたらに強い人は誰?」という感じになると思います。
これまでの "marvel cinematic universe" シリーズの映画よりも、他の作品の知識が前提になっているので、Dr.Strange や、Hulk 、Loki 等のキャラクターを知らない場合は、前作の「Thor」や「Dr.Strange」、「Avengers」辺りは見て置いた方が良い映画になっています。