人によって、英語の勉強方法はいろいろあると思いますが、ここ数年で固まってきた、私の勉強方法を書いておきたいと思います。
大半の勉強方法は、時間をまとめて取れる人向け
書籍もいろいろな切り口の英語の参考書がありますし、インターネットの時代になって、いろいろな情報が簡単にコストをかけず手に入れられるようになりました。
「英語はイメージで覚える!」
「映画や字幕無しで何度も楽しみながら見て覚える!」
「日常でよく使うフレーズ100選!」
みたいないろいろな情報が書籍、ネット上にたくさん出回っています。
ですが、社会人に取って大きな問題は、勉強方や覚えるネタは転がっていても「これをやる時間をいつ確保するの?」という事だと思います。
こう言った手法を考案している人を見てみると「日中の時間を勉強に充てられる人」「仕事自体が英語教育関係者」のような方が殆どで、実際に使える時間がそもそも社会人とはちょっと違うケースが多いです。
例えば、毎朝 9:00 に家を出て、職場に向かい、今度は23:00くらいに会社を出て、0:00 に自宅近くの定食屋さんに入って0:40に帰宅。という生活が定型パターンの方だと、平日は時間をひねり出すのはほぼ不可能でしょう。
さらに加えて土日もお仕事をしないといけない。という方もいらっしゃると思います。
社会人にとっては、机にむかって行う勉強だったり、自宅で何度も英語の DVD を見たりする勉強方法のハードルは恐ろしく高いです。
英語の学習は「繰り返し、長期間行う」ものだと思います(ここで言う長期間は、少なくても半年以上の単位)。一回やっただけでは定着しませんし、単純に新しいものにどんどん手を出してもどんどん忘れていきます。
「たまに時間がある時にだけ勉強する」という勉強の仕方では圧倒的に時間が足りない。ので社会人は何らかの仕組みを考え出す必用があると思っています。
強制的に勉強する仕組みを作る
何を勉強をするか。というのは今ではたくさん参考書がでているので、公式問題集を中心にAmazon 等で評判を見て参考書を選択すれば問題ないと思います。
一番の課題は継続的に勉強する時間を作る事だと思います。
瞬発的に1冊の参考書を時間をかけて完璧にこなしたとしても、継続して復習しなければ、1年後にはスッカラカンになっているはずです。これは一番もったい無い時間の使い方です。
「継続的に勉強する」仕組み作りが一番大事です。ですが、仕事で英語に深く関わってなければ、社会人に取ってはこれが一番難しい事です。
社会人が英語の勉強時間を確保するには、
- 強制的に定期的に英語を勉強しなければいけない状態を作り出す
- 「隙間時間」を活用する
の2つの方法しかないと思っています。
現在、私はこの2つの方法を組み合わせています。
まずは、一つ目の「強制的に定期的に英語を勉強しなければいけない状態を作り出す」から説明します。
スクールで強制的に勉強しなければいけない状態を作り出す
これは、英会話スクールや、TOEFL / TOEIC / 通訳などの英語学校に通う方法です。
お金を払い、スケジュールを入れてしまえば、恐らく「英語を勉強しよう」と思っているくらいの真面目な人であれば、仕事を無理矢理やりくりしてでも、スクールに行く時間 (=勉強時間) を確保すると思います。
個人的にこの手法を通して気づいたメリットとデメリットは以下のものです。
デメリット
- 英語の勉強は長期戦ですので、長期に続ける必要があり、スクールに通い続けるのは非常にコスト高である
- そもそも英会話スクールや、英語学校の勉強だけでは英語の勉強時間としては「圧倒的に足りない」。
- スクールに通う以外も、別途、復習、予習の勉強時間を捻出しないと内容の殆どが無駄になる。スクール以外にもさらに勉強時間の確保が必要になるため、 英語の勉強時間を確保する という問題の根本的な解決にならない。
メリット
- お金を払ってまで英語を勉強したい。という人が集まるので「刺激」になる。
- きちんとした英会話スクールで指導をうければ、独学では気づけないミスに気づく事ができる。
- 英会話スクールでネイティブの先生が居る場合は、ネイティブと話す事で外人慣れできる。
- 座学型のTOEIC スクール等では、本来時間をかけて対策本を何冊か読まないと気づけないポイントが、自分で学ぶよりも短時間で知る事ができる。
私がスクール系でこの4年程、何をしたか振り返って見ると
・興味本位でベルリッツに通う(3ヶ月ほど)
・短期で TOEICの専門校に1ターム(3ヶ月)ほど通う。
・TOEIC の専門校の連休に行われる集中講義に GWと年末に参加
・いろいろな体験レッスンを渡り歩く
・英会話スクールに2年ほど週1で通う
という事をしました。
振り返って見るとこれらでわずかながら英語力は向上しましたが、一番得たものは英語の勉強の世界を感じた事だったと思います。
こう言ったスクールに参加する事で英語を勉強した時間は、全体の学習時間に比較すると5%にも満たないくらいだと思います。
ただ、これらのスクールが無駄だと言う事では無く、通う事による刺激やきっかけが無かったら、いつまでも停滞していたのは間違いないと思います。
「刺激」を受けるというのは結構大きかった
私がこのブログを作ったきっかけは、「ベルリッツ」に通ってみた事がきっかけでした。
TOEIC の勉強を本格的にしてみようと思ったのは、知り合いに紹介された TOEIC専門校に通ってみた事がきっかけでした。
私もスケジュール的に厳しくて、通えなかったり・・・という事は正直あるのですが、ブログを始めた当初は全く考えてもいなかったし、不可能だと思っていた TOEIC 満点をまぐれでも取れるようになった事はこう言ったスクールに通って「刺激」を受けたのが最大の要因だと思っています。
自分が無理だと思っていた事を普通にこなせる人が居る。
自分なんかよりも遙かに勉強している人がいる。
頭ではわかっていても、こういう人達を実際に目の前にすると、「自分はまだ頑張ってないんだな。頑張らないと」と思わされてしまいます。
最近、「社会人英語部の衝撃」という本を読みました。
みなさん、隙間時間を使って、ものすごい勉強をしています。
ただ、これを本で読んでも、ほんの一時だけ「頑張ろう」と思うだけで、すぐに忘れてしまうと思います。
この本を読んで、重要だと思ったのは、実際に周りにいる人間から刺激を受ける事が、勉強の改善を試みたり、継続的に続けるモチベーションになる。という事だと思いました。
ネットや本を通して受ける刺激と、実際に体験して受ける刺激はちょっと違うと思っています。
ただ、こう言ったスクールに通うだけで、英語力を大きく向上させるというのは、スクールの内容を消化できるだけの勉強時間を定常的に別途確保できる場合に限られ、この点が厳しい社会人の方もたくさんいらっしゃると思います。
私の場合は、スクールで刺激は受け、多少英語は上達しましたが、継続的に復習する仕組みが作れておらず、学べるはずの内容の多くは無駄にしてしまった・・・という反省があります。
ただ、個人的には英会話スクールというのは、英語をストイックに勉強しようという人よりは、カジュアルな感じなので、勉強の刺激にはならないケースが多かった気がしています。
TOEIC 専門校などの英語のスクールの方が集まっている人の真剣度が高いので、「刺激」を受けるにはそちらの方がおすすめです。
なんだかんだでお金はかかっている・・
振り返って見ると、ベルリッツからはじまった英語の勉強ですが、ベルリッツの時も会社の補助が出たとは言え10万以上使ってますし、振り返るとこの数年は年間10万~くらいは、英語にお金使ってるんですよね・・・英会話のスクール(月8000円)に1年通っただけで年間10万円ですので。
ただ、社会人に強制的に時間を確保させる。という意味では良い方法だと思います。
私の場合は、大体帰宅時間は 22時~0時くらいなので、そこからご飯を食べると寝てしまうような生活だったので、自力でやろうとすると結構厳しく、強制的にお金を払って夜の時間に英語に attach するスケジュールを作るというのは結構良いトリガーになりました。
強制的に英語字幕の映画を見る (TSUTAYA DISQUS)
強制的に英語を勉強しなければいけないサイクルを作るという意味では、私は1年以上前から TSUTAYA DISQUS というサービスに加入しています。
このサービスでは自分で登録した、映画や CD のリストの中から毎月、決まった枚数までレンタル DVD/CD を送ってきてくれます。
返却は送られて来た、封筒に入れてポストに返却するだけです。
こうする事で、少なくても月に決まった本数は、英語の映画を見る事になります。
私は、月に4枚まで DVD/CD が借りられるサービスに入ってますが(記事作成時で 980円/月) 、来たビデオは英語の字幕付きで見る事にしています。
あまりに時間が無く規定の枚数をレンタルできない場合は翌月に枚数を繰り越す事もできます。
どちらかと言うと、月に4枚も DVD を見るのは苦しい事もあるので、翌月に繰り越さずビデオをレンタルできる枚数分を、普通の音楽 CD にレンタルを切り替えたりしています。
まれに海外の映画なのに日本語の字幕しかない。という場合は、普通に日本語の字幕で見てます。
映画を英語の字幕付きで見ても、一回見た程度ではすぐ忘れてしまいます。
わからない表現があったら、ビデオを止めて、インターネットで調べて、Ankidroid に入れる。という作業をしています。
ただ、ビデオを勉強しながら見るのはかなりの時間を必要とする作業なので、適当な所で勉強をやめて普通に見る事も多いです。
隙間時間に学習する(隙間時間がメインの勉強)
”時間が取れない中で無理矢理時間を作る”という方法以外にも隙間時間に勉強できます。
自分の感覚的に英語力の向上に一番大きく貢献しているのが、この隙間時間学習です。
私の場合は、隙間時間の勉強がメインで、自宅での勉強は基本的に隙間時間に勉強するための「仕込み」の時間になっています。
私が行っている、隙間時間の勉強方法は以下の通りです。
- 日常の生活を可能な限り英語にする
- 通勤時間や、移動中に勉強する
それぞれ解説していきます。
日常の生活を可能な限り英語にする
「勉強をしよう」と思っていない時でも周りに英語を用意しておく方法です。
リスニング
- 自宅では気がついた時は、可能な限り、英語のCD ( TOEIC の参考書についているもの)だったり、NHK World 等の英語放送を流す。
流しているだけで、真剣に聞いているわけではありませんが、とりあえず流しています。いつも聞いていれば、ちょっとした部分を意外に覚えたりします。
リーディング
- ブラウザのデフォルトページに英語のニュースのページを設定しておく
こちらもいつも読むわけではありませんが、ブラウザを起動すると強制的に英語が目に入るようにしておき、面白そうなタイトルのニュースがあれば、読んでみます。
私の場合、現在は「NHK World News」「Japan Today」「Digg」の3つが設定されています。
昔は、全部固いサイトで固めてましたが、固いニュースサイトの英語ニュースというのは結局読まなくなるので、日本の芸能ニュースがたまに入ったりする「Japan Today」や、海外のネットの人気記事が分かる「Digg」を入れています。
通勤時間や、移動中に勉強する方法を確立する
英語学習で一番大事なのは繰り返しで、繰り返しの時間を作るには、平日は必ず発生する通勤時間を使わない手は無いと思います。
座って机に向かって勉強する時間を安定的に確保できる社会人はほとんどいないと思います。
通勤時間に勉強する、もしくは隙間時間にカフェなどで勉強するには、Ankidroid を利用しました。
正直、Ankidroid を使う前の私の勉強方法は、散発的な勉強で全く身についてなかったと思います。
Ankidroid を使う事は隙間時間に学習しやすくする効果以外にも、ここに全ての英語勉強の成果を詰め込む事で、過去に学習した内容の分散を防ぐ効果もあります。
昔勉強した参考書を開く事は2度と無くても、Ankidroid に入力しておけば、勝手に目に入ってきます。
そして、Ankidroid と スマホさえあればどこでも、勉強ができます。
そのため、私の場合は、ありとあらゆる気づいた情報を、虫食い問題などのフラッシュカードに適した形の問題を自分で作って、Ankidroid に入力しています。
重要なのは、あらゆる勉強した内容を Ankidroid にまとめる事です。複数のノートなどに勉強内容を分散しておくと、やがてどこかに行ってしまい勉強した時間が無駄になってしまいます。
英語の学習で大事なのは、「繰り返して勉強する時間」だと思います。
私は昔は「一回目の勉強」はしてもその後「繰り返しの勉強」を取れずに、かなりの英語の勉強を無駄にしてきました。過去にやった勉強のノートが発掘されて、読み返したものの全く覚えてない。という事もありました。
リスニングについては、WALKMAN や iPod があれば、通勤時間やちょっとした隙間時間に繰り返し勉強できます。
自分が聴き取れなかったフレーズだけの”マイリスト”のようなものを作ったりしました。
また、リスニングが上手くいかないのは、大抵そのフレーズになれてなかったり、その文中の単語を知らないために起こります。
そう言った文例は、Ankidroid に入れてしまいます。その文章になじみがあるかどうか。というのがリスニングの大きなキモだと思っています。
例えばリスニングでは、「A group of us went 」みたいな短い短文でも聴き取れない事があります。
そう言った文章でも、フラッシュカードとして Ankidroid に入れてしまいます。
一方、座学的な問題も、Ankidroid を使えば、ちょっとした隙間時間に学習ができます。
また、通勤時間等の家の外での勉強は、集中力が保ちやすいので自宅で勉強するよりも、勉強がしやすくなります。
ただ、Ankidroid のカードが大量になると、かなり大変な作業になりのでそこは覚悟する必要があります。
また、休日など通勤時間が無い時は、Ankidroid の未習熟のカードが貯まって行き、後で行うのが困難になってきます。家でやる事もありますが、集中できない時は、わざわざ定期を使って出かけて移動時間(=勉強時間)を作ったりしています。
新規のカードがたまり過ぎてかなり辛い時期が続いた事がありました、どうにも習得に時間がかかっていたので、住居の契約更新に伴い職場から10分ほど遠い場所に引っ越しました。これで往復20分の学習時間の確保です。
土日に勉強する
Ankdiroid を使っていると、土日に勉強を休むとカードが溜まりすぎるので、土日や休日に勉強を休むという選択肢が無くなります。
ブツブツ言いながら Ankidroid をめくったり、思いついたカードを簡単に追加したりできるのは、自宅での勉強の利点ですが、土日に家にじっとしているとダラダラと勉強時間が延びたりその日のノルマがこなさせなくなる事があります。Ankidroid のカードを1時間以上めくっていると眠くなる時もありますし(慣れると何でもなくなりますが)、リスニングのテープ等は黙って30分も聞いていると寝てしまいます。
普段の通勤時間に勉強を最適化しておけば、休日でも会社に行く通勤ルートを使って勉強のノルマをこなす事ができます。眠い時は座らないようにしましょう。
私はノルマの量を増やしすぎた時は、自分の知っている最も遠く、いつでも空いているカフェに通勤ルートを使って出かけて、そのまますぐ戻ってきます(たまに寄り道しますが)。勉強をするために外にでかける感じです。
電車の中でAnkidroid をこなせますし、カフェだとリスニングを1時間聞き込んでも、人目があるので寝る事はありません。ノルマは平日と同じに外でこなし、ノルマ以上のExtra の勉強は体力が余っていれば自宅ですればよいのです。
自分の目標を設定する
自分だけで独学のいろいいろな勉強をしても、それが「勉強をした気」なのか「本当に身についたのか」がわかりません。
また「十分な量の勉強だったのか」というのも、自分で決めた好きな量だけやっているとわかりません。
個人的な今までの経験から言うと、英語の本を流し読みしたり、映画を英語字幕で流し見しても、殆ど新しい事を学ぶ訳では無いので、英語の力の維持には繋がると思いますが、英語力は伸びない気がします。
恐らく、(あまり) 苦労しないで、こう言ったエンタメ系の教材だけで英語力を伸ばせるのは、海外に在住しているような、周りが英語環境に置かれている人で、生活の中で、自然な繰り返し復習が出来る人だけだと思います。
英語に触れている楽しさを味わうのだけであれば、「目標の設定」というのは必要無いと思いますが、能力の向上を目指すのであれば、TOEIC / TOEFL / 英検 etc..なんでも良いので客観的な目標を設定が重要になると思います。
これらの英語試験が「役に立たない」という説もありますが、「英語ができるな・・」と感じた人は、これらの試験で満点に近い点数が普通に取れてる人が殆だった気がします。
まずはテストをクリアする事を目指すのは、英語力を付ける上で王道だと思います。
自分で目標を設定して、目標を達成するためにあれやこれやと試行錯誤をして、自分なりの勉強スタイルを見つけていくのが大事だと思います。
まとめ
ここに書いた以外にも、ネットの英語の記事を読むために、英辞郎 Pro を導入したり、電子辞書を導入してみたり、細かいツール等を導入して英語勉強効率の改善を図っています。
基本的に、日々、何か良い方法が無いかな・・・と試行錯誤しているので、現在やっている方法を改良したり、英語のレベルにあわせて新しいものを取り入れたり、少しづつ変わって行く思います。