2012年の夏頃に AnkiDroid( アンキドロイド) というソフトに出会ってから英語学習がグンとはかどるようになりました。
実際には、AnkiWeb(アンキウェブ) / Anki (アンキ) / Ankidroid (アンキドロイド) と言う3つのソフトとWebサービスを使った、「Ankiファミリー」とも呼べるアプリ群の運用を行う事になります。
iPhone ユーザーの場合は、AnkiDroid の部分が、AnkiMobile(アンキモバイル) に差し替わります。
この AnkiDroid というソフトは、英語学習にさける時間がなかなか無かった私には、まさに救世主のような存在でした。
どうやら日本に居る外国の方によって作成されたソフトで、"Anki" という名前にも関わらず解説は基本英語になっています。
個人的にはじめの内は使い方がさっぱりわからなかったのですが、使い始めると「これはいい!」と思ったので、ざっと使い方をまとめてみます。
日本語の Wiki もあるので、ある程度詳しくなってきたらそちらも見てみるのもいいかもしれません。(※Wiki は初めて使ってみるユーザーにとっては内容が高度な気がします。)
AnkiDroidの運用
Ankdroid (アンキドロイド) は、無理をすればスマホ単体で使えない事もないですが、基本的に
1.スマホ (AnkiDroid / AnkiMobile)
2.PC上のソフト (Anki)
3.Webサイト (Anki Web)
を含めた3つを組みあわせて使うのが一番運用しやすいと思います(ほぼ必須だと思います)。
はじめの頃は、AnkiDroid と Anki、AnkiWeb の違いがわからず混乱するかもしれませんが、関係としては、はじめに登場した図のようになっています。
Ankidroidの単語帳は紙の単語帳より一度作成したカードを編集するしきい値が低いです。
そのため、単語カードを追加したり、自分の覚えてない所を強調するためにカードを修正したり・・・と一度作成したカードを編集する事が多く、PCとスマホ間の同期が必用な機会が多くなります。
カードを自分で作成したり、何度も自分で編集できるのが一般に販売されている単語帳アプリとの大きな違いで同時に Ankidroid の大きなメリットだと思います。
そのため、Ankidroid を使い込むのであればを毎回SDカードでデータを同期させるのはかなり面倒かな。と想像します。
AnkiWeb を通した方がスピーディーにカードの同期が取れるので AnkiWeb の使用は個人的には(恐らく大半の方にも)必須です。
個人的には、多いときで、PC端末、スマホの両方で一日数回データを更新する事があるので、Webサービス(AnkiWeb)を通した同期(ボタン一発)は必須なのでこの記事は、Webサービスを介した同期が前提の記事になっています。
1. Android / iPhone用アプリ ~ AnkiDroid(アンキドロイド) と/ AnkiMobile(アンキモバイル)
AnkiDroid はその名前からわかる通り、Android 端末用で単語帳(フラッシュ・カード)を作成・閲覧するためのソフトです。
AnkiDroid は、無料ソフトですが、iPhone用のAnkiMobileは、有料になっているようです(2013/10月現在2,200円)。同期は後述するWebサイト「AnkiWeb」経由で行います。
有料なのは現時点で iPhone 用アプリ AnkiMobile だけなので、Android ユーザーの場合は全て無料のツールで運用できます。
左側が作成した単語帳の一覧です。クリックすると、それぞれの単語帳の画面に変わります。
実はこれ、本の単語本などを入力する場合は、入力の作業は(紙の本をPCに入力していくという観点で)かなり大変です。
私の場合は単語帳を一冊覚えてないものを移し込むだけで、数ヶ月かかっています。
恐らく通常の方であればスマホから入力すると言う作業だけでは効率が悪く、最低でもPC版を入力端末として使う事になるのでは。と思います。
一度に大量に登録する場合は、Excel から取り込む事もできるようです(管理人は未体験)。
単語帳はある程度の量毎にわける事をおすすめします。
上の例では、ある本のセクション毎にわけていて、一つの単語帳は50~100語の間になっていますが、これを元ネタの本が1冊だから1つの単語帳にまとめると、3,000語の1冊の単語帳みたいな物ができてしまい、作った後、単語帳をめくっている途中で心が折れます。
知らない単語が50くらいある単語帳は、勉強していると、そこそこ~かなりしんどいです。
50~100づつくらいに単語帳を分割して、少しづつ達成感を得られるようにしておく事をおすすめします。
左側が個々の単語帳のカードで、クリックすると右のように答えが表示されます。
下に「10分もう一度」「9日間」「20日間普通」などと表示されますが、自分が「この単語は覚えた」という自覚に合わせて、次はこの単語を何日後(何分後)に表示するか選択します。
下側の「10分もう一度」などの表示は、ユーザーの学習度によって自動的に変更されます。
ある程度学習が進むと、「10分もう一度」のボタンなどは表示されなくなり、一番左のボタンが「1.8ヶ月簡単」などに変わり次に問題を表示させる間隔が長くなっていきます。
ダウンロード:
- AnkiDroid (Android端末用アプリ)
https://play.google.com/store/apps/details?id=com.ichi2.anki&hl=ja - AnkiMobile (iPhone端末用アプリ)
https://itunes.apple.com/jp/app/ankimobile-flashcards/id373493387?mt=8&ign-mpt=uo%3D4
2. PC用アプリ ~ Anki (アンキ)
単語帳の作成は、スマホアプリの AnkiDroid 上でもできなくは無いですが、スマホでやると入力が大変なので基本的に PC 端末上に導入した Anki というソフトの上で行います。
PC 用のアプリ Anki はWindows 用のアプリと Mac 用のアプリ、一部の Linux ディストリビューション用のアプリが公開されています。
アプリ上に同期ボタンがあり、それを押すとWebサイト「AnkiWeb」にデータが同期されます。「AnkiWeb」は後述しますが、自分のユーザーIDを作って、自分だけのストレージスペースを持つ事できます。
つまり PC 上で作成した単語帳のデータを Web にある自分のストレージ・スペースに同期する事ができます。
上のキャプチャーは、管理人の作成した単語帳の一覧(一部)です。あるTOEIC対策本の単語帳の中から、自分の知らなかった単語を入力しています。
PC版でも単語帳をめくることができて、こちらの方がスマホよりも使いやすいです。
椅子に座ってPCに向かう時間がないとPC版の単語帳をめくることはかなり難しいので、管理人は殆ど使った事がないですが、「単語帳の問題をもう少し違うものにしたい」、「スペルミスして入力している単語を修正したい」と思ったときに、さっと書き換えられるので、修正(編集)作業はスマホ版よりも便利です。
理想は通勤途中に椅子に座って膝上でノートPCを使ってこの単語帳をめくる事となのですが・・・まず、座れないし、電車内でノートPCを開くのは不可能では無いのですが、結構、スペース的に狭くて落ち着かないんですよね・・・
PC版の単語帳はこんな感じです。スマホで見るのと近いレイアウトです。「回答を表示」をクリックすると。
こんな感じで回答が表示されます。「もう一回」「難しい」「普通」「簡単」などと表示されるので、完全に覚えてしまった場合は、「簡単」を押すとしばらく表示されなくなります。
私は単語の登録は、基本的にPC版を使ってしています。
PCで単語帳を作成 → AnkiWeb にデータを同期(Webに自分の単語帳をアップロード) → スマホにデータを同期(Webから単語帳をダウンロード) → スマホで学習
という流れで運用しています。
ダウンロード:
- Anki (PC用ソフト。Windows / Mac / 一部のLinux 対応)
http://ankisrs.net/anki2.html
3. Webサイト ~ AnkiWeb(アンキウェブ)
スマホと PC の単語帳のデータの同期は、AnkiWeb というインターネット上のサービスを通して行います。 AnkiWeb 用に自分のユーザーIDを登録して使用します。これも無料です。
作成した単語帳は公開か非公開が選べます。私が作った単語帳は、私のつぶやきのようなメモがたくさん書き込まれているため、非公開にしています。公開できるような作りのクオリティで単語帳を作るのは結構、難しいんですよね・・
大半の人は市販の単語帳であったり、英語番組の内容を元に単語帳を作っているので、そのまま単語帳を単純に公開すると著作権に触れる可能性がある。という問題が出てくると思います。
そのため通常のケースでは、作成した単語帳は基本的に非公開を設定する事になると思います。
はじめはWebサイトに単語帳のデータを上げるのに抵抗がありましたが、非公開にしておけば自分しか見れないのと、大して重要な情報でもないので、慣れてしまえばなんてことは無かったです。
またスマートフォン上で編集したデータを、その場で Webサイト上で同期してしまえる手軽さを経験してしまうと、この仕組みは必須だと感じました。
スマホをケーブルで接続したりSDカードでデータ同期を行う方法もあるようですが、現在も可能かどうかは私も試していないのでよくわからないです・・
いづれにしても AnkiWeb に登録しておくと電車の中でスペルミスを見つけて編集した新しいカードや、移動中に Ankidroid を使用して進んだ学習の結果を 、簡単に AnkiWebに同期できるようになります。
実際に運用していると、スマホ側とPC側の両方で単語帳を編集したくなる事はよくあります。編集前に AnkiWeb と同期 → 編集 → AnkiWeb ともう一回同期。という運用をしていけば、AnkiWeb上をマスターデータにして常に整合性の取れた運用が可能です。
AnkiWeb を使用するにはAnkiWebのサイトにアクセスして、「Sing Up(登録)」から、登録作業をしして自分のUserID (メールアドレス)を登録します。
登録に使った UserIDとパスワードは、スマホやPCでのセットアップで使います(AnkiWebを通して相互に同期が必要な場合だけ)。
デスクトップと同じで、Webサイト上で単語帳をめくる事もできます。
ダウンロードでは無くサイトへのリンク:
- AnkiWeb (Webサービス)
https://ankiweb.net/
ダウンロードリンク
文中にも書いてますが、ダウンロード先を以下にまとめてみました。
スマホやPCは得意だ。という方であれば、ソフトをダウンロードして直感に頼ってインストールすれば、使えるようになると思います。
設定としてあるのは、AnkiWeb では、自分のユーザーIDを作成。スマホ側には AnkiWeb との接続のために、AnkiWeb で作成した UserID / Passwor dの設定をする必要があります。
- AnkiDroid (Android端末用アプリ)
https://play.google.com/store/apps/details?id=com.ichi2.anki&hl=ja - AnkiMobile (iPhone端末用アプリ)
https://itunes.apple.com/jp/app/ankimobile-flashcards/id373493387?mt=8&ign-mpt=uo%3D4 - Anki (PC用ソフト。Windows / Mac / 一部のLinux 対応)
http://ankisrs.net/anki2.html - AnkiWeb (Webサービス)
https://ankiweb.net/
使用してみての筆者の感想
隙間時間が有効活用できるようになりました!
社会人は特に勉強の時間がとりにくいと思います。机にじっと座っている時間があれば、仕事に使ってしまう人も多いでしょう。
Ankidroid では、一度、PCから入力してしまえば、通勤、通学のm移動中の隙間時間を使って学習が可能です。
カードの編集は PC 上で行うのが基本で、AnkiDorid 上でフラッシュカードを編集しようとすると、HTML?のソースを編集しなければいけないため、スマホだけで入力業務をこなそうとするのは、かなり難しいですが、入力ミスの修正など簡単な編集は、スマホ上でも十分可能です。
そして入力ミスを見つけるのは、基本的にスマホでじっくり単語を勉強している時ですので、スマホ上で入力を修正したり、気になった事を追記しておく(同類の意味の単語でxxがある等)事がスマホ上でできるのは助かります。
昔、紙の通常の単語帳で頑張ろうとしましたが、電車の中で紙の単語帳をめくるのは恥ずかしく、単語帳が増えるとそれなりにかさばるんですよね… Ankidorid であれば、人目も気になりませんし、どんなに単語の数が増えても複数の単語帳を持ち歩く必用は無くスマホに全て収まります。
そして何よりも、わざわざ「暗記帳を持って行こう」と考えなくても自然と携帯している。というのが非常に大きいです。
学習効果の高い柔軟なカードの表示方法
使い勝手は、はじめはとっつきにくいのですが、がんばって使ってみましょう。すぐに慣れます。
とっつきにくいのは、機能が非常に多岐にわたるためだと思っています。
単語帳は基本的に長く使うものなので、長く使っていると「あんな事ができたらいいなぁ」と言うのが出てくると思います。
そう言ったユーザー要件を取り込んできて、現在の Ankidroid ができあがっているように見えます。
CSVで作った単語帳を取り込んだり、画像ファイルを挿入したり、ユーザーが作成した単語帳を Web で公開する事もできます。
基本的な機能だけであれば、とりあえず Ankidroid(スマホ) / Anki(PC) / Ankiweb(Web) の3つをセットアップして触っていれば数日で慣れると思います。
数ヶ月して使い方がわかってきた頃には「あぁ。暗記のためによく考えられたソフトだな・・・だからいろいろ機能があって複雑に見えるんだ」とわかってくると思います。
非常に機能が豊富で正確に説明しようとすると、難しい説明になってしまうので、やや語弊のある説明になりますが、AnkiDroid では、すぐ回答できたカードは、だんだんと表示されなくなります。
一方で、回答できなかったり、間違ったりしたものは、短い期間をおいた後、何度も表示されます。
つまり簡単に答えられるものは、カードが飛ばされるようになり、覚えてないものだけが残っていき、効果的に学習する事が可能になっています。
簡単に答える事ができたカードでも、1ヶ月ぐらいするとすっぽりと忘れているものです。
そんなカードも1ヶ月後、2ヶ月後に再び問題として表示されるようになっています。
もちろん難易度に関わらず登録されているカードを全て学習し直す事も可能です。
単純な単語帳だけでは無く、全ての覚えたい英語を集中管理にするのに便利
ノートにメモしたり、Ankidroid に入れたりバラバラに管理してしまうと、後でそれぞれ見返すのは大変です。特に私の場合は、ノートにメモしたものは2度と振り返らない傾向があるようです。
かなり昔にびっしりノートに書き込んだものを発見して「自分でこんなに勉強したんだ…」と、びっくりした。という経験があります。
中身は全く覚えてないのですが…。こういうのがあるともったいないですよね。せっかく勉強したのに。
私は、現在 Ankidroid に
- 「映画」 映画で見つけた表現などを入れるための単語帳
- 「日常で発見した表現」 ネットで出くわした表現などを入れる単語帳
- 「仕事で発見した表現」 仕事で出くわした英文などを入れるための単語帳。(最近、社内の文章などが日本語化されない傾向がでてきたので作成)
- 「NHKニュースで英会話」 NHKの語学番組の「ニュースで英会話」で見つけた表現を記録するための単語帳
- 「NHK Trad Japan」 今は放送されていない NHK の語学番組「Trad Japan」で見つけた表現を記録するための単語帳
- 「空耳アワー」 タモリクラブの「空耳アワー」で見つけた表現を記録するための単語帳(※1)
- 「Holes」これは、初級者向けの英語のペーパーバックです。小説内の表現のうち気になったものを体力が続いた分だけ単語帳化しています。
のように、単語帳としてどんどんメモして行っています。
あまりにも量が多いので、全て見直すのは大変ですが、Ankidroid で一括管理するようにする事で、少なくても過去に勉強したものがすぐに見れる形で、手元にあるので、気が向いた時に復習できるというのは大きいです。
※1) 自分でも何をメモしてあるんだろう?と思って久しぶりに開いてみた所、「スラングの see what I’m sayin は、どんな日本語に聞こえるか?」で、答えは「すいません」となってました。確か、これは、マーティン・フリードマンが言っていたので「なるほど」と思い、メモしたような気がします。ちなみに「Don’t seem the same」は、「どうもすいません」だそうです。
その他の暗記用のソフト
他にもいろいろと暗記カードを作るためのソフトがあるようです。個人的には、Ankidroid に一日の長があるような気がしますが、人によって重要視するものが異なると思いますので、以下に挙げておきます。
・Everword
ユーザーの多い Evernote のノートを単語帳のカードとして使用するソフトです。この記事を作っている時点で、iPhone のアプリのみ対応しているようです。
学習の進んでないカードを自動的に表示してくれるなどの機能もあるようです。
Evernote というノートでの使用をメインに作られたインフラを単語帳に活用します。
各種レビューを見るとノートのタイトルをフラッシュカードの”表”として使い、ノートの中身をフラッシュカードの”裏”として使うようです。Evernoteに大量のノートを作らないとけず、使い方が若干不自然なような気がして個人的には触手が伸びませんでしたが、Evernote ヘビーユーザーからは絶賛されているようなので、Evernote 好きな方には向いているようです。
・i暗記
暗記専用のソフトとして開発されているので、出版社なども有料の対応の単語帳を発売しています。自分で作成しなくても有料・無料の単語帳があるのが最大のメリットだと思います。
また Android と iPhone の両方にアプリが対応しているのも利点だと思います。
ちょこっと使用してみましたが、有料ソフトの基盤としても使うためにデータをユーザーが改変しにくいようになっています。
単語帳の編集はできるのですがWeb上で編集する必用があり、有料の単語帳は、データのコピーや改変を防ぐため編集できないような仕組みになっています。
個人的には、単語帳は自分でいろいろコメントを後から追加したり、その時疑問に思った事を書き足しているので、私は続きませんでした。