2010年の末からはじめて、2011年5月までおよそ6ヶ月間、ベルリッツに通いました。(311の震災を挟んでいるため通常より長い期間がかかっています)
週1日(2レッスン)で、24週間だったので、およそ半年間通ったことになります。その時の体験談などを振り返ってみて書いてみます。
ベルリッツのコースの種類は?
この文章に興味を引かれて読まれている方は、恐らくベルリッツの仕組みをご存知ない方が多いと思いますので、まず、どういうシステムかを書いておくとベルリッツには、大まかに
・プライベート・コース(いわゆる先生とマンツーマン)
・セミ・プライベート・コース(2~3人で行うコース)
・チャーター・コース(2~6人で行うコース)
の3種類があります。お値段は人数が少なくなるほど高くなります。
これは会話する密度が上がるので、それに従って値段が高いと考えると良いでしょう。
プライベート・コースのお値段は?
例えばプライベート・コースだと、1回 7千5百円程度。それが40回のセットになっている場合、約30万円が授業料になります。
1レッスンは40分です。但し、仕組みとして1日に2レッスンを休憩を挟んで同時にとらないといけないようです。回数にすると20回になります。
この他に、教材費が2万円程度、入会費が2万5千円程度かかります。合計で入学金などの諸経費が4万5千円くらいです。(という見積もりが手元に残っています)
正確には、それぞれ2万2050円だったり、2万6250円だったりしますが、ざっくりという金額でここでは書いてます。
レッスンの値段もお昼がちょっと安かったり、期間限定の割引があったり、細かく違うのですが、ざっくり8千円/レッスン/40分 くらいだと思います。
1回40分の「プライベート・コース」を、40回受けると(手元の見積もりがそうなっているので)、入学金を含めて35万円程度がかかります。前述した通り、価格は超ざっくりです。
英会話レッスンを受けた事の無い人にとっては、驚愕の価格だと思います。私もはじめは「どんだけお金持っている人が通っているんだ・・・」と思いました。
そういえば、学生時代、バイトで家庭教師をしていたのですが、中学生で 3500円/時間くらいだったと思います。(アルバイトに入ってくる手取りは1500円くらいだったような・・)
それと比較すると、8千円/40分というとかなり高め。という気もしないのでもないですが、高校生相手の家庭教師は5千円/時間くらい取っていた記憶もありますし、大人相手だと「そんなものかな・・」と納得できる値段でなくもないです。
私は、家庭教師では最大手のチェーン店で働いていましたが、ベルリッツと違って教育や教材なんかもありませんでした。教師はただの素人の学生が派遣されるだけでした。
そういうようなコスト削減方法もありますが、ベルリッツはしっかりした教材もありますし(もちろん継続的な開発費もある程度かかるでしょう)、教師もトレーニングされている事がわかります。人件費以外のコストもしっかりかかっています。
ビジネスとして成立させるには、教師一人あた2万円/日は稼がないといけない(彼ら自身の給料と、都会の一等地の施設代、スタッフ代、誰でもその名前を知っている程の広告費などの諸経費)と仮定すると、、、
1日で1人の教師がグループレッスンを8レッスン開催すると、6万4千円です。ただし現実的には、昼間2レッスン、夜のビジネスマンをターゲットにした2レッスンが集客としても限界として、3万2千円/日/人くらいの売り上げが平均的かなと思います。
ここからどこをコスト削減していくか考えるわけですが、どうしてもビジネスとして英会話スクールを回そうとすると8千円/レッスン40分。というのはわからないでも無い気がします。(以上、勝手な想像です)
セミ・プライベート・コースのお値段は?
セミ・プライベート・コースは、前述した通り2~3人で行うコースです。
この場合、レッスンの単価は4千円/レッスン/40分と、プライベート・コースの約半額になります。
生徒の数が2倍以上になり、先生と話す時間も半分になるので半額以下。というのは妥当な価格だと思います。この金額は中学生が家庭教師をつけるよりも、1.5倍くらい高い程度なので個人的には納得感が出てきます。
1回40分の「セミ・プライベート・コース」を、48回受けると(手元の見積もりがそうなっているので)、入学金を含めて22万円程度がかかります。
前述したようにお値段はざっくりです。時間帯や割引などによって誤差がでてくるとおもいます。
私は結局、これを受講しました。(とは言え、会社の補助で10万程度もらっているので、実質10万円でした)
この48回のレッスンで一つの教材を終わらせる回数でした。(「プライベート・コース」だと、40回で回数が少ないのは、密度が濃いからかな?)
1週間に、水曜日だけ2レッスンを受けるペースで、24週間(=約6ヶ月)です。
水曜日は、19:30から開始して、40分(1回目) + 10分休憩 + 40分(2回目)と受講して21:00に終了するという形でした。
もっと人数の多い、チャーター・コースというのもありますが、手元に見積もりが無いので、これについては省略します。
レベル判定
ベルリッツに入学するかどうか決める前に「体験レッスン」と称した「レベル判定」を無料でしてくれます。
実際の「プライベート・コース」(いわゆるマンツーマン)の授業を受けさせてくれて、その中で先生がこちらの英語力のレベルを判定してくれます。
先生とは、普通に話せた気がするのですが、例えば先生に聞き返したり、s を付け忘れたり、現在形や過去形を間違えたり。単語のレベルを見られたり。今、思い返せばそういう所をみられていたのだと思います。
その時のTOEICの点数は、840点でした。そこで受けた判定は、レベル3
もうちょっと高いかと思っていたので「うぐっ」という感じでした。
下はレベル1から上はレベル10まであるので、真ん中より下のグループの真ん中という事でした。
「レベル10って一体どんだけすごいんだ・・」とその時は思いました。
ブロークン・イングリッシュとは言え、自信があったのですが、確かにこの判定は、レッスンを受けるようになって「あぁ。レベル3という判定は、正しかったんだなぁ」と思えました。
それはレッスンの中でいろいろ直されていく事で気づいていく事になりました。
無料のレベル判定レッスンを受けても勧誘らしき勧誘は無い
これはネットを調べてみてもみなさんがかかれている通り、勧誘らしき勧誘は全くありませんでした。
レベル判定を受けた後、「その後どうですか?」という確認の電話が一度来ただけです。
自分でじっくり考えてコースを選ぶ事ができます。
複数人のレッスンはグループができるまで待たされる
今回、私は「セミ・プライベート」レッスンを申し込んでみました。
しかしグループを組むには同じレベルの人が同タイミングで必要で、同じ希望の人が現れるまで、結局、1ヶ月くらい待つ事になりました。
逆に言うと、これは適当な組み合わせをしていない事を意味するので、安心できます。
ベルリッツはあちこちにセンターがあるので、違う場所での調整をしてくれたり、曜日を変えたプランを検討してくれたり、いろいろ手を尽くしてくれました。
私は1ヶ月でコースに参加できましたが、場合によってはかなり待たされる事もあるようです。そのうちにベルリッツに行く事をやめてしまう人もいるようです。
ベルリッツの担当者の方が「半年くらい前に同じレベルの人が登録したんだけど・・・連絡取れるかな・・」と言っていた事もありました。
なので緊急で!という方は、「プライベート・レッスン」以外に道は無い場合があります。
「プライベート」と「複数人(セミ・プライベート/チャーター)」どちらが良い?
「プライベート」がマンツーマンで、複数人で行うのは、前述したように「セミ・プライベート(2~3人)」と「チャーター(2~6人)」があります。
これについては人によると思いますが、レベル3と判定された私のレベルでは、2~3人グループの「セミ・プライベート」が、限界よりちょっと上で丁度良かったと感じます。
はじめは「セミ・プライベートでもちょっときついぞ・・・」と思いつつ開始して、終わる頃には「あ。セミ・プライベートで良かったな・・・」と感じる事ができました。
もちろん「プライベート」でも良かったと思いますが、「セミ・プライベート」でよかったな。。と思う事を書いておきます。
レッスン時に、一人づつ質問を振られるというシチュエーションが良くあるのですが、グループを組んでいる相手が質問を振られている間、自分の番が来たときの答えを考える事ができます。
例えば、「あなたの趣味を喋って下さい」と、一人づつ質問を受けた時に、他の人が喋っている間に「何を、どういう構成で話そう。」と考える時間ができます。
自分が一番始めに質問された時は、焦るしかありません。多分、「プライベート」だと毎度、焦っていて結構、大変だったと思います。
もちろん「プライベート」でも先生は助け船を出してくれるのでそれなりに進むとは思うのですが、「考える時間が欲しい」と思う自分のレベルでは、「セミ・プライベートでよかった・・・」と思えます。
また、「セミ・プライベート」を受けてみて、良かったと感じたのは、「他の人の英語は、自分の英語より冷静にチェックできる」という事でした。
自分の英語では忘れがちな、s や、過去形、現在形の間違いなどは、他の人が喋っているのを聞く場合は、間違いによく気づきます。
先生が指摘してくれていたり、言い直してくれたりしている所も、他人がされている時は、気づきやすいです。そのため自分が喋る時は、気をつける事ができました。
自分が間違いを直されている時は、間違いを直されている事すら気づかない場合があります。
この後、研究も兼ねて一般的な英会話スクールに2つ程、通った事がありますが、ベルリッツの最大の違いは、教材をベースに必ず自分の意見やロールプレーなどのアウトプットをするチャンスを作られる所です。
一般的な英会話スクールは、先生が気を使って生徒が喋らないと、先生がどんどん喋ってしまいます。生徒にプレッシャーがかかる事もありません。アウトプットの練習を作ってくれるのがベルリッツのしっかりした所だったと思います。
先生の質は?
ベルリッツでは、1日の2レッスンのセットの中では同じ先生が勤めますが、日が変わると先生が替わります。
日によって先生が替わる事は、いろんな英語に親しむ。という点では良いシステムだと思いました。英語が不得意な時は、相手の声が変わるだけでも聞きにくくなったりします。
まれにネットなどでは、それほどレベルの高く無い先生がいると言うような事を書かれている事がありますが、私が受けている範囲では、そんな事はありませんでした。
合計24回(計48レッスンで、1日2レッスンなので)通った内、何回が同じ先生に当たる事があったのですが、それでも全部で10人以上の先生に当たったと思います。が、不満をいだくような事はありませんでした。
もちろん先生によって、ノリが良くて面白かったり、反対に少し進め方がぎくしゃくする場合もありますが、許容値の範囲だったと思います。
よくある英会話スクールの様に基本的になんとなく雑談で終わらしてしまう。下手をすると自分は一言、二言しか喋らなかった。という事は無く、授業中は全て英語で、生徒が話さないといけない機会を作るという事は同じでした。ベルリッツの授業の進め方のテンプレートは、どの講師も遵守しているようでした。ただ、間違っている時に訂正してくれるかどうか。というのは先生に依存しました(これは素直に受け入れられない生徒もいるかもしれないので気持ちはわかります。グループレッスンでは無く、マンツーマンレッスンであれば可能だったと思っています。)
生徒の面々は?
グループレッスンは、生徒が固定なのですが、たまに「Make up」という休んだ時の振り替えで、私たちのグループに参加してくる方がいらっしゃいました。
その人達を含めて、ベルリッツで出会ったユーザーをまとめると、どういうユーザーが来るのかと言うと・・・
- お医者さん(研究職。かなりレアかもしれません)
- 金融系の会社員
- 不動産系の会社員
- IT系の会社員(私含め、私の会社の方が多数・・・)
- 医薬品系の会社員
など、会社員ばかりで、業界もバラバラ?でした。金融と不動産の方は複数回遭ったので、金融・不動産・医療系は多いイメージがああります。が、母数が少ないのであてにならないと思います。
年代は20代~40代で、20代が多い気がします。若いと学習欲に燃えている?のかもしれません。
私は直接お会いはしなかったのですが、スタッフの話だと定年退職されてからベルリッツに通われている方もいらっしゃるようです。
人柄は固い人もいますが、気さくな人ももちろんいます。
男女比は、語学=女性のイメージがあったので、女性が多いのかな。という気がはじめはしていたのですが、半々か男性が多いくらいかもしれません。意外と男性が多かった印象を受けました。
これは、一般の英会話スクールだと圧倒的に女性が多いですが、ベルリッツはある程度お金がかかるので、それなりの年収がある人が多く、そのため男性に偏っているのだと思います。
セミ・プライベート・レッスンは楽しい(場合もある)
私のグループは、結局2名で開始して、たまに他のグループから休んだ分の振り替えで、人が加わる事があり、まれに3名になる事がありました。
これは誰とグループを組むかによると思うのですが、私の場合は、某大学の研究職のお医者さんで、面白い人だったので、レッスンがとても楽しいものになりました。
セミ・プライベート・レッスンでは、「ロール・プレイ」が毎回あります。
例えば、自分が警官役で、相手がドライバー役で、そのレッスンで習った表現を入れ込みながら会話する。というような「ロール・プレイ」をします。
いつのまにか、2人で英語でユーモアを交えながら、コントのようなやりとりをしていました。先生も笑ってくれたり、突っ込みを入れてくれたりで、中々楽しかったです。
レッスンが完了した後は、打ち上げと称して、いっしょに飲みに行きしました。
基本的に先生はどの先生も気さくでした。外国人気質と言いましょうか・・・
ただ、惜しむらくは毎回先生が替わるので、先生と仲良くなって飲みに行く。という事がなかった事です。
もしかしたらそういうチャンスも有ったかも知れませんが、私はそういうレベルにまで仲良くなる事はありませんでした。(タダで教えてもらおうと思ったのに<オイ)
ただ、ずっと同じ先生だとその人の英語は聞き取りやすくなってしまってしまうので、ベルリッツが先生の変更を意図的にやっているのであれば(確認しませんでしたが)、理にかなった効果的なやり方だと思います。
社会人に平日は厳しい
実は仕事の関係でレッスンに行けず、数回すっぽかしました。もちろん事前にわかっていれば、他の日に振りかえをする事もできるのですが、曜日感覚も狂うほど忙しい場合もあるので、平日に全て行くのは私にとってはかなり厳しかったです。
今、思い返せば、平日では無く、土曜日のレッスンにしておけばよかったなぁ。。と思ったりもします。(土曜日がつぶれるのがやだったので平日したのですが・・)
効果はあったか?
個人的には、費用対効果はとりあえず置いておくと、効果は間違いなくありました。
ただ費用対効果をどう考えるかは人それぞれだと思います。私自身は確かにお金払わなければ永久にこの上達は無かっただろうし、習慣の改善もなかったろうな・・と思っています。なので個人的にはありました。というのが回答になると思います。
後、よいのかどうかは別にして、英語教材にお金を払う事への抵抗が薄くなりました。ベルリッツ以降、他の安い英語レッスンに参加してみたり、英語の本などを見かけて、良さそうだと買ってしまう事が増えました。英語に対する関心度や優先度が自分の中であがるようになりました。この意識改革は大きかったです。何よりもこのブログは普段更新を殆どしていませんが、ベルリッツに通い始めた時期は更新が多くなってます。英語に関する関心が高まっているせいだと思われます。
レッスン自体の直接的な効果に話しを戻すと、レッスンのはじめの頃は、話すのにもシドロモドロでぐちゃぐちゃだったのが、最後の方ではそれほど困らなくなっていました。
主に効果があったな。。。と思うのは、
・仕事や友人と会話している場合は、相手はこちらの英語を直してはくれません。でも、ベルリッツの先生は、間違いを適度に指摘してくれます。 "s"の付け忘れだったり、過去形だったり現在形だったり。ネイティブが「変」と思う所をきちんと指摘してくれます。
「このくらい間違っていても伝わる」と思っていた考え方を改めさせられました。
・ベルリッツ以外にも英語の勉強をするようになる。
持続的に続ける事で、英語に対する興味も半ば強制的に続く事になります。私は、NHKの英語番組を継続的に見るようになったり、お金をかける事で、英語全般を継続的に続ける習慣が確実に改善しました。もともとラジオ英会話などは継続的に聞いてましたが、それとは別の次元に英語への興味が上がった感じです。一番の効果は、この英語に対する意識のレベルアップだった気がします。
・長い文章を喋るスキルが改善する
仕事やプライベートだと、コミニケーションを優先する事で、どうしても短いセンテンスで会話を済ましてしまいがちです。それをずっとやっていると、いつまでも英語で長い話をする事ができません。ベルリッツでは、「単語で喋らず、きとんとした文章で喋るように」言われます。また、ロール・プレイなどでは、普段は絶対そんなに長い間英語でしゃべらないよな、、という長い文章を考えて喋らないといけなくなります。そうしている間で、自分としての英語のしゃべり方の「コツ」を知らずしらずのうちに掴んでいました。
総じて、個人的には、かなり上達したな・・・(はじめはするとは思ってなかった物の)という気がします。
今、思えば「はじめのレベル3は妥当な判定だった」と思います。初期の頃は何が酷いのかさえ気づいていませんでした。。。。
一緒のグループだったUさんは、自分では「全然上達した気がしない」と言ってましたが、私から見ると初めの頃とは雲泥の差になっていました。
ただ、私の英語が上達したと言っても、あくまで相対的に、レッスン初期より上達した。というだけで、「流暢な英語をしゃべれるようになった」という訳ではありません。
TOEICを受けてみました。
ベルリッツが終わった後、TOEICを受けてみました。
900点丁度でした。840点だったので、60点アップです。これはTOEICのテクニックを学んで試験に臨んだ訳ではないので、「TOEICってこんなに時間が足りないの?絶対、終わらない」と冷や汗をかきながらの試験でした。なので、純粋に英語への慣れ(英語力の向上)によるアップと言っていいと思います。
ベルリッツに行ってわかったのは、「多分、TOEICは満点がとれて当たり前」レベルを目指さないと、外人と苦もなく話すレベルになれないんだろうな・・・」という事です。
それまでは、990点は超人の域だと思っていたのですが、英語に興味をもって調べてみると、TOEIC990点の人は結構いるようです。
昔は「900点ってすごいなぁ」と思っていた自分の点数ですが、海外のドラマを見ても何を言っているかわかりません。ニュースでもNHKの英語ニュースなら、簡単ならついて行ける程度です。
多分、TOEIC 990点(満点)は単なる通過点なんだろうなぁ。と思えるようになったのも一つの収穫になりました。